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マンション管理適正化法施行直前の紙面。8月1日の施行に対し、7月19日に省令が公布される慌ただしさだった |
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2001年1月6日。省庁再編で誕生した国土交通省・住宅局住宅総合整備課内にマンション管理対策室が設置された。初代室長には旧建設省・不動産業課監視官の飯島正氏が就任。
国家機関で初めてのマンション管理専門部署で、二十一世紀を迎えて名実ともにマンション管理は国に認知された格好になった。
2001年は、8月のマンション管理適正化法施行、12月の第1回マンション管理士試験を頂点にした「新制度」の大きなうねりが生じた一年になった。
国家資格に昇格した管理業務主任者試験にも、社会的な関心が寄せられている。その一方で法制度の改正も企図された。
2月16日、高村正彦法相は区分所有法の改正について法制審議会に諮問。6月5日法制審議会建物区分所有法部会で初会合が開かれ、前回の改正から18年振りに法改正の検討が開始されている。
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2004年2月5日付発行分で、マンション管理新聞は通算600号を迎えた。1面トップは東京・世田谷の「個人施行方式」による建て替え |
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11月30日には国交省住宅局設置の「マンション建替え円滑化方策検討委員会」が最終とりまとめを発表。現状の建て替えをめぐる主要課題を挙げ、解決策として具体的な施策を示した。翌年2月にはマンション建替え円滑化法案が国会に提出され、6月12日に成立した。
区分所有法改正は、建替え決議条項をどう変えるかで混乱した。法務省が三月に発表した中間試案では、「老朽化の場合、新築から30年(40年)で5分の4以上で建て替えが議決できる」などとするプランが提示されたが、関係者から批判が続出。結局部会では意見をまとめ切れず、要綱案では「老朽化」、「損傷等」、ケース別に要件を分ける一方、単純多数決の複数案を併記したが、法政審議会で後者が支持され、要綱は単純多数決を採用する形でまとめられた。
この年は政府の「e-Japan戦略」で強力に推進された、インターネットアクセスの円滑化を受け、 法務省が既存マンションのIT化で見解を公表。国交省も7月には合意形成に関するマニュアルを策定・公表している。
1月に誕生したマンション管理士団体の設立も各地で相次いだ。
司法関係では、やはり昨年4月の、滞納管理費の時効は5年とした最高裁判決が目を引く。
後半は駆け足になったが、二十年の歴史をダイジェストで振り返った。2005の注目は、やはり「マンション履歴システム」(マンションみらいネット)になるだろう。
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「みらいネット」のモニター募集を開始を報じた紙面。募集開始1週間前という「一方的告知」に戸惑う管理組合の声も伝えた |
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国交省は10月11日、マンション管理センターが事業主体の「マンションみらいネット」の試験運用に伴う、無料モニター管理組合の募集を開始した。その結果、484組合が応募した。応募率は募集枠単棟型で49・6%、団地型で87・0%だった。マンション管理センターのホームページ上で「応募は理事会決議で可能」とする見解を示した点が応募率を高めた要因となったようだ。
11月17日に発覚した姉歯建築設計事務所(千葉・市川)によるマンションを中心とした構造計算書の偽造問題は社会を震撼させた。12月3日にはマンション住民らが「構造計算偽造問題被害者連絡会」(仮称)を発足させた。
偽造発覚以降、各方面で構造計算書探しが始まった。また、(社)高層住宅管理業協会は11月30日、会員に対し、姉歯建築設計事務所や姉歯関係施行会社等の使用の有無をマンション事業主と協議の上確認し、「遅滞なく管理組合に通知すること」などの通達を送付した。
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